犬 脾臓 腫瘍 | 上大岡キルシェ動物医療センター上大岡キルシェ動物医療センター

犬 脾臓 腫瘍

犬 脾臓 腫瘍

2017年01月20日 投稿者:staff

カテゴリー: 症例紹介 腫瘍

17歳、Mダックスフンド、女の子の症例です。

 

急にけいれん発作を起こし、緊急で来院されました。

普段は心臓病の内服をしていて、発作は初めてとのことでした。

精査の結果、発作の原因は心臓病ではなく、腹腔内を占拠する巨大な腫瘤により不整脈を起こしたものと判断しました。

17歳と超高齢であり、心臓も弱っており、腫瘤もかなり巨大であることから、判断に悩みましたが、ご家族様と相談のうえ、外科的治療を行うことになりました。

 

腫瘤はおそらく脾臓から発生している可能性が高く、ここまで大きく育つまで、症状を出さなかったことから、おそらく良性腫瘍であり、うまく摘出できれば、予後良好であると考えられました。

  腹部は腫瘤により膨満していました。

  開腹すると、腫瘤が押し出されるように出てきました。

  周囲組織への癒着を剥離しつつ、腫瘤を腹腔外に出していきます。

  入り組んだ血管を処理し、摘出しました。

  腫瘤摘出後は大きなスペースができました。他の臓器への浸潤はありませんでした。

 

7.5kgの体から、1.6kgの腫瘤が摘出されました。

病理組織検査の結果は、予想していた通り、骨髄脂肪腫という良性腫瘍でした。

完全摘出後は追加治療を必要としない良性腫瘍です。

 

麻酔の覚醒も良好で、以降不整脈はでませんでした。

その後は発作を起こすことも無く、経過は良好です。