猫 顔面膿瘍 | 上大岡キルシェ動物医療センター上大岡キルシェ動物医療センター

猫  顔面膿瘍

猫 顔面膿瘍

2016年04月01日 投稿者:staff

カテゴリー: 症例紹介 膿瘍

今回は10ヶ月齢、女の子の日本猫の紹介です。

顔面の腫れを主訴に来院されました。

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来院時の写真です。

左眼球は確認できないほど、左眼周囲が腫れ、そこから鼻にかけての皮膚がただれており、排膿しておりました。

元気、食欲が全くなく、40度を超える発熱がありました。

血液検査では黄疸、肝臓の悪化、白血球の上昇もみられ、全身状態の悪化が強くみられました。

実は当院に来院される前の10日間ほど他院にて治療を受けており、

「癌で治らないので看取ってあげてください」との診断を受け、諦めきれない御家族がお連れになりました。

腫瘍の可能性もありましたが、まずは外傷や感染症を疑い、点滴入院にて、抗生剤の投与、給餌、患部の消毒を徹底していきました。

点滴をはじめ、体温が正常に戻り、状態も一時的に良化していきましたが、

点滴を緩めると、再度体温が上昇し、患部の腫れも悪化してきました。

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徐々に腫れが悪化し、右眼周囲からおでこまで広がっていきました。

そこで、抗生剤の種類を変更、強めの消炎剤を追加しました。

さらに腫れている部分を切開、排膿、洗浄といった積極治療を行いました。

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本人にとっても辛い治療になりましたが、その甲斐もあり、徐々に良化していきました。

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一時は眼球が確認できないほど瞼や皮膚が腫れていましたが、きれいな瞳が確認できるようになってきました。

現在では内服、洗浄を徐々に減らしていき、経過は非常に良好です。

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元どおりの綺麗なお顔にもどるまで、あともう少しです。