ヒョウモントカゲモドキの症例です。

総排泄孔から脱腸を起こし、丸一日経ってしまった状態で来院されました。

脱出してしまっている粘膜部は乾燥、変色してしまっておりましたが、洗浄をしていくことで血行が改善したように見えたので、腹腔内に還納し、再度脱出しないように、総排泄孔を一部縫合しました。

糞便検査で寄生虫は検出されませんでしたが、診断的治療として駆虫薬を投与しました。

数日後、縫合糸を外したところ、再度脱腸してしまい、消化管の粘膜色に改善はみられませんでした。

 

そこで、全身麻酔下にて、脱出粘膜の壊死部を切除し、消化管を吻合することになりました。

気管挿管をし、吸入麻酔下にて、術式を行いました。

術後は再脱腸することもなく、三日後には排便がみられました。

脱腸は異物の誤食による消化管閉塞や寄生虫、細菌、ウイルスなどの感染性腸炎などで起こすことの多いと言われております。

何が原因であったとしても、脱出してしまった粘膜を乾かさないようにしながら、すぐに病院にて受診する必要がありますので、お気を付けください。