
ウサギ、雑種、7歳8ヶ月、去勢雄の症例です。

しゃっくりが出ているという主訴で来院されました。
かなり呼吸が苦しい様子で、元気や食欲も低下しておりました。

当院のレントゲン検査で、右の肺に空気が漏れてしぼんでいる状態(気胸)と小さな影が見つかりました。また、胸の中の圧力で心臓が左側へ押されていました。これらの所見から、緊急の処置が必要な「緊張性気胸」と診断しました

オーナー様と協議の上、麻酔下で胸腔ドレーンを設置しました。

CT検査です。胸腔ドレーンを入れる前は、右の胸全体に空気が漏れていました(気胸)。肺の中央にできた袋状の部分(嚢胞)が破れ、空気漏れの原因になったと考えられます。また腫瘍化を疑う部分も認められました。

腫瘍化を疑う部分の細胞診検査ではの非上皮系悪性腫瘍と診断しました。
胸腔ドレーン設置後は呼吸が楽になり、元気や食欲も回復しました。
胸腔ドレーンの設置、腫瘍に対して抗癌剤の使用、自宅への酸素室の設置により190日という長い期間頑張ってくれました。
ウサギの気胸は、本症例の子のように胸腔ドレーンを設置し長く生存できた報告はありません。
当院では根治の難しい重篤な疾患に対して諦めるのではなく、少しでもその子が楽になり長く過ごせるように可能性がある治療を考え、模索しております。
本症例も来院時は呼吸がかなり苦しい状態でしたが、積極的なアプローチにより呼吸が楽になり長期間ご家族と過ごしていただくことができました。
慎重に治療方針を相談し、その子に合った治療をご提案できればと考えておりますのでぜひ一度ご相談ください。



