猫、スコティッシュホールド、二歳の男の子の症例です。

二か月前から尿路閉塞による排尿困難を主訴にご来院されました。

来院時は膀胱内に過剰量の尿が貯留しておりましたので、尿道カテーテルの挿入を試みましたが、陰茎から5mmほどの位置に狭窄があり、導尿が不可能でした。

膀胱から直接、穿刺にて尿を抜き、緊急処置を行いました。

二か月間、治療を受けてきて、良化が見られないということもあり、緊急で外科手術を行うことになりました。

術式は、会陰尿道瘻といい、尿道の狭窄部分を切除し、膀胱近くの太い尿道部分を引っ張り出してきて、ペニス周囲の包皮につなぎ、新しい尿路を造るというものです。

 

DSC02232術前

DSC02255線維化している尿道粘膜

狭窄している尿道部分は、切開時にジャリジャリ音がするほど、尿道粘膜が繊維化していて、狭窄もかなり重度でした。

DSC02259包皮粘膜と尿道の縫合

ペニス周囲の包皮粘膜と太い部分の尿道を吻合しました。

8Frの太い尿道カテーテルが設置できました。

DSC02267術後

術後、カテーテルを抜去し、安定的に排尿できていることが確認できました。

今後も膀胱炎、尿石症の管理が必要ではありますが、しっかり予防をしていけば、尿路閉塞を起こすことはないでしょう。