モルモット、4歳4ヶ月齢の女の子の症例です。

1カ月前から乳腺部に腫瘤を認め,他院にて内部の液体の穿刺抜去を複数回行っていましたが

徐々に増大傾向であったため、セカンドオピニオンで当院を受診しました。

右の乳腺部分に6.5cm×4.5cm大の硬い腫瘍を認めました。

※モルモットの乳頭は下腹部に1対あり、乳腺はその周囲に分布しています。

血液検査でリスク評価を行い、超音波検査では子宮や卵巣にも異常があることが分かりました。

X線検査やCT検査で転移が無いことを確認した上で手術に進みました。

麻酔下で腫瘤内に貯留した血混じりの液体を約35cc抜去しました。

手術の当日には鎮痛薬を注射と経皮吸収テープの2種類の方法で用いて、

少しでも痛みを感じないようにケアしています。

大きな嚢胞ごと腫瘤を全て、そして再発リスクも考慮して左右の乳腺を全て摘出しました。

背景の1マスが1cm四方のため、かなり大きな腫瘤だったことが分かると思います。

その後、開腹し、腫脹していた子宮卵巣も摘出しました。

最後は縫合して手術終了です。

今回は両側乳腺摘出術と子宮卵巣摘出術の両方を行なったため、術創は逆T字型になりました。

両側乳腺摘出術だけの場合は横一文字、子宮卵巣摘出術だけの場合は縦一文字の傷になります。

病理組織学的検査の結果、

乳腺部腫瘤は乳腺癌、

子宮は嚢胞性子宮内膜過形成(良性病変)

卵巣は卵巣網嚢腫および乳頭状腺腫(良性腫瘍)

と診断されました。

モルモットは、乳腺腫瘍はメスだけではなくオスにもよく発生し、

オスの乳腺癌もかなり多いという点で他の動物種とは異なり、特殊です。

ヒトを含めた多くの哺乳類の動物では乳腺腫瘍はメスに起こりやすい病気ですが、

モルモットの場合はオスメスを問わず、下腹部に腫瘤ができたら乳腺癌の可能性があり、

放置するとどんどん大きくなってしまう可能性があります。

乳腺以外にも体表にしこりができることはよくあるので、

日常的に全身をよく触ってチェックしてあげてください。

もししこりかも?と気になったら、ぜひ早めに当院にご相談ください。