ヒョウモントカゲモドキ、10歳の女の子の症例です。
半年前から腹部の張りがあり、ここ三週ほどで急激に腫脹してきたとのことで来院されました。
画像検査では腹腔内に肝臓に接する大きな腫瘤がみつかりました。
針生検にて細胞検査を行ったところ、悪性腫瘍を疑う所見が得られました。
高齢であることや肝臓由来の腫瘍であれば完全切除が困難であることなどが懸念点ではありましたが、急性増大が見られることとご家族さまのご意向もあり、外科的切除を行うことになりました。
全身麻酔をかけ、開腹したところ、直下に巨大な腫瘤をみとめました。
肝臓から剥離しての完全切除は困難と判断し、肝臓に入る重要な血管を障害しないように確認をしながら、できるだけ腫瘤を切除していきました。
術前に52gあった体重は、腫瘤を切除することにより36gになりました。
病理組織検査は、肉腫(悪性腫瘍)という診断でした。
術後経過は非常によく、軽くなったお腹が快適そうにしています。
今後は再発にたいし、要注意で経過観察が必要です。