犬 前立腺腫瘍 尿路再建 | 上大岡キルシェ動物医療センター上大岡キルシェ動物医療センター

犬 前立腺腫瘍 尿路再建

泌尿器

犬 前立腺腫瘍 尿路再建

2021年04月27日 投稿者:staff

カテゴリー:泌尿器 症例紹介 腫瘍

犬、ダックスフンド、13歳の男の子の症例です。

かかりつけ医にて、頻尿症状があり検査を行ったところ前立腺の腫瘤がみつかり、外科治療を希望され当院を受診されました。

画像検査にて、前立腺が約30mmに腫大し、内部が石灰化しており、

膀胱側へ進展、浸潤している様子が確認されました。

  

 

細胞検査にて前立腺腺癌と診断をうけ、ご家族さまと相談の上、

前立腺を切除し、前立腺の前後の尿道を吻合し、尿路を再建する手術を行うことになりました。

 

開腹後、前立腺腫瘤を確認したところ、骨盤(恥骨)があり、前立腺の尾側が展開しにくいため、

骨盤を一部切除し、術野展開を行いました。

  

 

その後、前立腺周囲の脂肪膜内に走行する血管、神経を温存しつつ、剥離していき、

前立腺前後の尿道を結紮し、前立腺を切除しました。

   

 

その後、尿道カテーテルをガイドにして、前立腺前後の尿道を吻合していき、尿路を再建し、終刀しました。

 

 

病理検査結果は前立腺部尿道移行上皮癌で、前立腺腺癌よりは悪性度が低い癌でした。

現在は、自律排尿が可能であり、歩行障害もなく、術後抗がん治療を開始しております。