ジャンガリアン・ハムスターのメス、1歳4ヶ月齢の症例です。

1週間前に脇腹におできがあるのを発見し、腫れてきたとの主訴に来院されました。

一般状態は良好とのことでした。

受診時は右体側に1cm弱の皮膚腫瘤が認められ、中央部分は潰瘍化しておりました。

まずは針生検による細胞の検査を実施しました。

  

細胞診検査では肥満細胞腫という腫瘍が疑われました。

腫瘤は増大傾向であり、自潰をしていたこともあり手術による切除を実施しました。

 

摘出した腫瘤は病組織検査に提出しました。

検査結果は皮膚肥満細胞腫、切除マージン(ー)(検査した範囲での取り残しがないこと)でした。

肥満細胞腫は犬や猫では比較的発生頻度が高く、生物学的挙動(転移率、悪性度、予後など)に関するデータが報告されています。

しかし、ハムスターでの発生、報告は稀でその挙動はわかっていないことが多いです。この症例は術後の経過は安定しており、元気に過ごしていますが今後も再発、多発などに注意しつつ経過を追っていく必要があります。