11歳、M・シュナウザー、男の子の症例です。
精巣を包む陰嚢の部分に黒色の出来物があり、増大傾向があるとのことで来院されました。
4カ月ほど前に8mm大だった腫瘤が、15mm大と2倍ほどに増大しておりました。
針生検による細胞診検査にて、黒色の顆粒を持つ細胞が多数認められたため、摘出手術をすることになりました。
悪性腫瘍の可能性を考慮し、精巣ごと陰嚢切除しました。
年齢も高く、心臓病もあるため、麻酔は循環抑制が少ない薬物を選択しました。
術後、病理検査では陰嚢部腫瘤は、悪性黒色腫、精巣はライディッヒ細胞腫と診断されました。
摘出範囲も良好で、完全切除でしたので、今後は再発を起こさないかの経過観察をしていきます。