
2歳2か月齢のチンチラ、女の子の症例です。
食欲が落ちている、便の量も少なく、小さいとの主訴で来院されました。
X線検査を実施したところ、消化管が下腹部の構造物によって頭側に圧迫されている様子が確認されました。


さらに、超音波検査を実施したところ、腹部に液体が多量に貯留して張っている管腔構造が認められました。


検査を実施している途中で、陰部からの白色分泌物の漏出を認めました。

白色分泌物を顕微鏡で観察したところ、細菌と菌を貪食している白血球が認められました。
検査結果などから、子宮蓄膿症を疑いました。
飼い主様の同意を得て、子宮卵巣摘出手術を実施しました。
子宮は肉眼的に腫脹しており、内部には膿が認められました。



病理組織検査の結果、子宮は化膿性子宮内膜炎、子宮蓄膿症と診断されました。
現在、術後の経過は良好です。
子宮蓄膿症とは、その名の通り、子宮に膿が貯留する疾患です。
子宮の免疫力が低下し、子宮に感染が起こることで罹患します。
放置すれば、毒素が全身にまわり、命に関わってくることもあります。
チンチラでは全体的に子宮疾患の発生率は低いとされていますが、元気食欲の低下、外陰部からの分泌液(粘液性、膿性、血様などさまざまな性情)の排出が認められた場合は、子宮疾患の可能性も考えられますので、早めにご相談ください。



