チンチラ 1歳 男の子の症例です。
左後肢を引きずるとのことで来院されました。一般状態は落ち着いていましたが、左後肢に力が入らず、湾曲しており骨折が疑われました。
レントゲン撮影では左脛骨の横骨折が認められました。
ギプス固定による外固定法も検討しましたが、年齢や活動性などから髄内ピンによる外科的整復を選択しました。
骨折部位を露出します。非常に細く骨が薄いため丁寧に扱う必要があります。
骨の中に医療用のピンをゆっくり挿入し、骨折端を合わせていきます。
縫合糸などで骨折部位を補強しました。
チンチラは高低差のある環境で生活し、太ももの筋肉が発達しているため、下腿にかかる負荷が大きいことから包帯固定を併用しました。
手術直後のレントゲン写真です。
大きな変形なく骨癒合してくれました。
インプラントである髄内ピンは抜去することが推奨されますが、本症例(動物種)では骨が薄く抜去に伴う損傷や、再骨折のリスク、また現状QOLが良好なことから抜去せずに経過を観察しているところです。