イエアメガエルの症例です。
頭部皮膚の変色を主訴に来院されました。
画像のように頭部背側の皮膚が一部変色していました。
変色部をスライドガラスに押し付け、とれたものを特殊な染色液で染めるスタンプ検査を行ったところ、多数の菌が認められました。
検査所見より細菌性皮膚炎と診断しました。
抗生剤の内服治療を開始いたしましたが、お薬を嫌がり飲めなかったため、抗生剤の薬浴治療に切り替えました。
その後皮膚の変色部はなくなり、治療終了としました。
この症例のように、両生類さんは薬浴治療を行うことができますので、お薬が飲めなくてもご心配なさらずご相談ください。
別の症例になりますが、薬浴の様子です
全身が薬液の中に入る必要はなく、腹部が浸かる程度の浅い水深で行うことができます。
カエルを含め両生類の皮膚は、化学的防御機能から呼吸や水分・塩類の吸収などの生理的機能までさまざまな働きを持ちます。
そのため、他の動物と比べて皮膚機能の破綻が及ぼす影響が大きく、皮膚疾患から全身性の重篤な疾患に陥りやすくなっています。
早期に治療を始めることが重要であるため、変色や水疱など皮膚に気になる点がありましたらお早めにご相談ください。