犬 膝蓋骨内方脱臼整復手術 パテラ脱臼 | 上大岡キルシェ動物医療センター上大岡キルシェ動物医療センター

犬 膝蓋骨内方脱臼整復手術 パテラ脱臼

整形外科

犬 膝蓋骨内方脱臼整復手術 パテラ脱臼

2023年01月20日 投稿者:staff

カテゴリー:整形外科 症例紹介

トイプードル 1歳3か月 去勢雄の症例です。

間欠的な跛行や震えなど痛みを伴う症状が見られました。

触診にて、膝蓋骨の内方脱臼が認められました。

  

左後肢のレントゲン写真です。膝蓋骨が内側へ変位しています。

*本来は黄色丸の位置にあるはずが内側へズレている(赤矢印、赤丸)

 

鎮痛剤などによる対症療法で一時的に症状は緩和するものの根本的な改善は得られず、

手術を実施しました。

 

手術は、膝関節包縫縮術、滑車溝造溝術、脛骨陵転移術を用いて行いました。

滑車溝造溝術

    

脛骨陵転移術

 

関節包縫縮術

固定後膝の屈伸運動などで膝蓋骨が外れないことを確認し閉創します。

術後1〜2週間は包帯固定にて関節を固定します。

  

術後のレントゲン写真です。膝蓋骨が正常な位置にあることがわかります。

包帯除去後は少しずつリハビリ開始しました。

現在は関節用サプリメントを継続して、良好な歩様を維持できています。

 

膝蓋骨脱臼とは膝蓋骨(膝関節にある「膝のお皿」のこと)が、外れてしまう病気です。

犬における一般的な跛行(びっこをひく、足を庇う、ケンケンするなどの症状)の原因となります。

症状は様々で重症でも無症状の様に見えてしまう症例も少なくありません。

 

小型犬に多く大型犬の約10倍

好発犬種

トイ・プードル/チワワ/ヨークシャー・テリア/ポメラニアン/パピヨン/マルチーズ

 

治療に関しては重症度や症状などにより治療法や術式が選択されます。

関節炎(関節症)の発症リスクが高いため、

診断されたら普段からの体重管理関節ケアサプリを使用しつつ、

手術の早期介入が必要となることも多いです。