セキセイインコ、4歳11か月・雄の症例です。
数日間便が出ず、元気が無く膨羽しているという主訴で来院されました。
X線検査にて腸管内に結石を疑う不透過性亢進物を認めました。
腸管結石による腸閉塞と判断し、飼い主様との相談により入院による内科治療をすることになりました。
入院中の治療としては、皮下点滴と胃腸薬の投薬を行いました。
入院3日目に排便が確認でき、硬めの便が出ており徐々に量も増えていきました。
入院3日目のX線検査では消化管内にガスはありますが、結石は確認できませんでした。
入院5日目には排便は良好でかなり元気も出てきたため退院することができました。
腸閉塞には機能的閉塞と機械的閉塞があります。機能的閉塞の原因には異物誤飲、腸管結石、穀粒、グリット、寄生虫、腸管腫瘍などがあります。機能的閉塞とは、低体温、貧血、重金属中毒による消化管神経障害などがあります。
症状は嘔吐、脱水、食欲不振、排便が見られず尿酸のみの排泄、腹痛を伴う場合は腹部を足で蹴る行動がみられることもあります。
嘔吐と排便停止などの特徴的な症状、X線検査にて腸管内ガスや結石、異物、グリットを確認することにより診断できます。
治療方法は外科的に腸管切開による閉塞物の除去、内科的には点滴や胃腸薬の投与を行います。
閉塞を早期に改善することができれば予後は良好なため、少しでも気になる症状があればすぐにご相談下さい。