サバンナモニター、4歳1か月齢の女の子の症例です。
2週間前からの元気食欲消失を主訴に来院されました。
来院時、腹部の明らかな膨満と激しい脱水の指標である、強い眼の窪みを認めました。
画像検査にて、腹腔内に大きな腫瘤と液体の存在を認めました。
腹水の抜去を行い、腹水の細胞検査を行ったところ、悪性腫瘍を疑う細胞が認められたため、腫瘍を摘出する手術を行う事になりました。
気管挿管を行い、吸入麻酔管理下のもと開腹を行いました。
腹腔内の腫瘍はかなり大きく、卵巣由来のものであると判断しました。
血管系を結紮、シーリングを行い、摘出しました。
3.7kgだった体重が2.5kgになりました。腫瘍重量は1.05kgでした。
術後の栄養管理のため、経咽喉頭胃カテーテルを装着し、終刀しました。
術後はカテーテルからの給餌や点滴により、良好な回復がみられました。
摘出した腫瘍の病理検査結果は、卵巣顆粒膜細胞腫という悪性腫瘍でした。
爬虫類での報告はないため、どういう経過を追っていくのかが未知ですが、現在は経過良好で、軽くなったお腹が楽そうです。
定期的に画像検査を行い、再発や転移をモニターしていきます。