8歳2か月齢のキンカチョウの症例です。

食欲が低下しており、首を振る動作がある、食べるとそのうが腫れる、たまに開口呼吸をしているとの主訴で来院されました。

X線検査を実施したところ、心臓頭側部位に不透過性亢進している構造物が認められました。

そのうにも内容物が貯留している様子が認められました。

甲状腺の腫大が疑われました。

甲状腺の異常からの症状を疑い、投薬治療を開始しました。

その後、症状は改善し、現在も投薬を継続しながら経過観察中です。

X線検査においても甲状腺は縮小傾向が認められ、良好な経過をたどっています。

鳥において、甲状腺腫大はたびたび認められます。

特に、セキセイインコ、オカメインコ、文鳥などで認められることが多いと言われています。

甲状腺が腫大する原因としては、甲状腺腫、甲状腺炎、甲状腺腫瘍が挙げられます。

甲状腺腫は腫瘍ではなく、食餌中の甲状腺ホルモンの材料が不足することで、甲状腺ホルモンが産生不足となり、その結果として最終的に甲状腺が肥大する病態です。

甲状腺の腫瘍には良性の腺腫と悪性の癌が分類されています。

原因の分類は困難で、治療への反応で見極めていくこととなります。

症状としては、甲状腺の腫大により、特に呼吸器への圧迫が大きくなり、開口呼吸や咳、喘鳴、鳴き声の変調が見られることが多いです。

また、甲状腺は出血しやすいため、近くの肺や気管支に影響が出ると、喀血することもあります。

今回の症例のように、食道圧迫による食物の通過障害からそのうに多量の食物が貯留することもあります。

治療としては、甲状腺ホルモン補充や抗炎症治療を投薬で実施します。

あてはまる症状があるならば、いつでもご相談ください。