東ヘルマンリクガメ、4歳の男の子の症例です。
数日前に消化管の一部が総排泄孔から脱出してしまい、それ以降食欲廃絶状態になってしまったとのことで来院されました。
脱出した消化管の粘膜には外傷があり、乾燥も始まってしまっていましたが、一度は押し戻して総排泄孔を縫合し、内科治療を行いました。
しかし消化管造影検査を行ったところ、消化管の一部に通過障害があり、
その部位以前の消化管は重度に拡張してしまっていることが判明したため、
飼い主様のご希望もあり、外科手術を行うことになりました。
腹側の甲羅を開けて病変部位を確認すると、消化管にねじれが生じ、通過障害を起こしている状態でした。
ねじれを解除した後、脱出した消化管を整復するために腹腔側から消化管を牽引し、結腸と腹壁の筋肉を縫着して結腸固定を行いました。
食欲がすぐに戻らない可能性も考慮し、咽喉頭カテーテルを留置しました。
入院中はカテーテルを通じて流動食を給餌し、退院後はご自宅でしっかりと口から食事ができて排便も問題なくできているそうです。
経過が良好のため、咽喉頭カテーテルは抜去しました。
甲羅の傷跡の経過も現在のところ良好です。