ミシシッピアカミミガメ、28歳の女の子の症例です。
陰部から臓器が脱出していることを主訴に来院されました。
画像検査にて、体腔内に大量の卵胞を認め、その大量の卵胞によって体腔内のスペースが圧迫され、
体腔内圧の上昇により卵管が脱出してしまっている状態だと判断しました。
一度は脱出した卵管をどうにか体腔内に返還して総排泄腔を縫合し3日間様子をみましたが、
抜糸した際に再脱出したため開甲手術に進むことになりました。
卵墜性腹膜炎を起こしていました。
可能な限り左右の卵巣・卵胞と卵管を摘出しました。
手術前には体腔内で大量の卵胞により圧迫されて肺が広がれない状態でしたが、
手術後には下写真の赤丸でお示ししたように、しっかり肺が広がれるようになりました。
今は術後の経過を慎重に追っています。
この初夏の時期には水棲ガメは産卵期のため、卵詰まりによる卵管脱の症例が多く来院されています。
毎年産卵しているのに今年はまだ、食欲不振など、気になる症状がございましたら、
ぜひお早めにご相談ください。