ハリネズミ、3歳8ヵ月齢、未避妊雌の症例です。
右頬の腫大と活動性の低下を主訴に来院されました。
外貌から右の歯肉が増生していることが疑われました。
ハリネズミの口腔内におこる病気では口内炎や腫瘍性疾患がとても多いです。
ただし検査に警戒して丸まってしまうハリネズミも少なくないため、
しっかりと検査をすすめるために当院では麻酔下検査をおすすめしております。
麻酔下検査では触診、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などをおこないます。
腹部超音波検査にて偶発的に子宮の腫大も見つかりました。
今回は腫瘤が右側の歯肉だけではなく、頬や頸部まで広く増大してきていることが判明し、手術にてできる限り腫瘤を切除することとなりました。
今回切除した腫瘤を病理検査に提出したところ、扁平上皮癌であることが分かりました。
ハリネズミに多く発生する悪性腫瘍の1つです。
切除にて減容積をおこない、状態次第で抗ガン剤の治療が必要になります。
このように麻酔下検査を行うことでハリネズミも幅広く検査を行うことができ、病気の発見につながります。
警戒心の強いハリネズミは爪切りや触診をするのにも麻酔が必要なケースがあります。
しっかりと検査をおこない体の異常を見つけるためにも、麻酔下検査はとても有用です。
ハリネズミの体調に不安がある方はお気軽にスタッフまでお尋ねください。