ミシシッピアカミミガメ 年齢不詳 野生個体の症例です

近くの川で見つけ、口から釣り糸が出ているとの主訴で来院されました。

来院時には口腔内からの釣り糸に加え咽頭付近に釣り針の端が目視で確認できました。

レントゲン検査を行うと2㎝大の釣り針が喉頭付近に確認でき、相談の上釣り針を用手で除去する事となりました。

多量出血、出血による誤嚥や食道穿孔などリスクの高い処置ではありますが、無事に針を取り出すことができ、再度レントゲン検査で針以外の誤食が無いか確認しました。

釣り針誤食前後のレントゲン画像(左:釣り針誤食時、右:処置後)

取り出した釣り針

 

翌日再診の際は口腔内出血もなく、呼吸も安定していたため内服として抗生剤と消炎鎮痛剤を処方しています。

カメの場合、今回のような釣り針だけでなく飼育環境のレイアウトの一部(床材など)を誤食してしまったりすることが有るのでお家での飼育環境で誤食しそうなものがないか、よく確認しておくのが重要です。

また誤食した異物が胃や消化管に流れて、閉塞を起こすと手術となる可能性が高い為、食欲元気などの一般状態の低下が見られた際は早めの受診を推奨いたします。