ヒョウモントカゲモドキ、2歳の女の子の症例です。
食欲不振を主訴に来院され、超音波検査にて体腔内に過剰に発育した巨大な卵胞を複数認めました。
血液検査、レントゲン検査でも他の異常を認めなかったため、
巨大卵胞が消化管等の他の臓器を圧迫していることによる食欲不振を疑いました。
内科治療では食欲の改善がみられなかったため、開腹して異常卵胞を卵巣ごと摘出することになりました。
開腹してすぐに、巨大な卵胞が見えました。
細かな血管の処理をしながら、慎重に卵巣の摘出を進めました。
異常な巨大卵胞は左右の卵巣にそれぞれ1個ずつ存在しました。
病理組織学的検査では、卵巣における卵胞の変性と診断されました。
ヒョウモントカゲモドキは、床剤などの異物誤食例が多いため、
消化管内異物がないかどうか、確認も行いました。
血液検査では肝臓の数値は基準値内でしたが、
開腹下で肝臓の色調の異常を認めたため、一部生検も同時に行いました。
こちらの病理組織学的検査では肝細胞の脂肪変性と診断されました。
卵巣だけではなく肝臓の問題もあったため、手術後も支持療法を続けています。
現在は少しずつ食欲も戻っているところなので、このまま快方へ向かうようなサポートをしていく予定です。