フクロモモンガ、7歳の女の子の症例です。

お腹にしこりを見つけたという主訴で来院されました。

当院初診時の写真です。育児嚢の中にかなり大きな腫瘤が確認できました。

腫瘍を疑う見た目でしたが、確認のために細胞診検査を行いました。

かなり悪性度の高い上皮系腫瘍を疑う細胞が多く見られ、当院の経験から乳腺癌を疑いました。

肺などに転移が無いかを確認するためにX線検査や超音波検査も行いましたが、

転移を疑う所見はありませんでした。

X線検査でも右鼠径部あたりに腫瘤がはっきりと確認できます。

手術当日には育児嚢内にもう1つ腫瘤が見つかったため、全ての乳腺を摘出する手術を行いました。

術後の経過は良好です。

病理組織学的検査結果は乳腺癌でした。

フクロモモンガの腫瘍の報告はまだ少なく、乳腺癌の報告はごくわずかですが、非常に転移率が高いとされています。

ご家族の方と相談しながら、情報が少ない中で抗がん剤を使用しつつ治療を行っており、

2年半以上経過した現在も体調良好な状態で経過を追えています。

当院ではフクロモモンガにおいても専門性を持って診療を行なっています。

フクロモモンガの腫瘍は少ないと言われていたこともありましたが、

最近は腫瘍と戦うフクロモモンガさんも多数来院されています。

当院では必要に応じて外科治療、抗がん剤治療などもご提案できます。

腫瘍疾患以外においても多くの経験がございますので、

病気や健康管理でお困りのフクロモモンガさんはぜひ当院にご来院ください。