犬 9ヶ月齢の症例です。
左後肢の跛行ということで来院されました。
ほぼ接地することができず、触診上左後肢の筋肉の萎縮が重度でした。
また、股関節を動かすことによる痛みを伴っていました。
レントゲン検査では左後肢は亜脱臼しており、左大腿骨頭の不透過性の亢進や辺縁の不整、一部骨折を疑う陰影が確認されました。寛骨臼の不整も認められます。
症状や犬種、年齢からレッグ・カルベ・ペルテス病(大腿骨頭壊死症)と診断されました。
この病気は若齢の小型犬種で好発し、10〜20%で両側に発症するとされています。大腿骨頭の血流障害により、進行性の骨頭の壊死崩壊が生じ筋肉の萎縮や疼痛、脱臼により跛行を呈します。治療には消炎鎮痛剤や運動制限、理学療法などの内科治療もありますが、ほとんどの患者さんで外科的治療が必要になります。
今回の症例でも大腿骨頭切除という外科治療を実施しました。
切除後のレントゲン写真です。
筋肉の萎縮が重度なこともあり、リハビリが必要ですが、徐々に足を使うことができるようになってきています。何より痛みが取り除かれたことで、元気に走り回れるようになってくれました。