ヒョウモントカゲモドキ 5歳7か月齢 女の子の症例です。
食欲はあるものの、数日前から右眼が白く濁り開きづらそうで、昨日からは完全に閉じていることを主訴に来院されました。
飼育環境について伺ったところ、
飼育温度が少し低い設定だったので、昼間は24℃、夜間は18℃を下回らないよう、
そしてケージ床面の一部分には保温用のヒーターを設置していただくこととしました。
視診にて指先に脱皮残りも見られたことから、
温浴後、全身くまなくチェックし残った皮を除去しました。
この時、口の中のチェックもしましたが問題はなさそうです。
検眼では角膜の軽度浮腫はあるものの、傷は見られませんでしたが、
脱皮残りの組織が眼窩の眼球周囲にあったので、洗眼、除去処置を実施しました。
右眼の症状の原因として
・外傷の治癒過程
・ビタミンAやカルシウムなどの代謝性障害
・脱皮不全
・眼内疾患
が考えられましたので、まずは内科的にビタミン・カルシウム強化の注射と、目薬の処方、
温浴も湯冷めに注意していただき、38℃5分間ほど
ご家庭での実施をお願いし、1週間後の再診となりました。
1週間後
パッチリ開眼し、眼の白濁もなく元気になったと、ご家族もほっとされていました。
目薬は休薬し、温度管理とご家庭で定期的に温浴を実施していただくようお願いし、治療は終了となりました。
ヒョウモントカゲモドキは、その原因は様々ですが
112匹のうち、52匹(46%)が眼の病気(主に角膜や結膜の病気)にかかっていた
という報告があるくらい、眼の病気になりやすい動物さんです。
元々、乾燥した地域に生息しているヒョウモントカゲモドキですが、
温浴することで脱皮不全の予防になったり、脱皮不全による影響を改善する糸口になることも多々あります。
おうちのヒョウモントカゲモドキさんが、眼を閉じてじっとしている、眼が白い、いつもと何か違うなど違和感がありましたら、お早めにご相談ください。