日本猫、3歳、女の子の症例です。
肛門から腸が出てしまったとのことで来院されました。
来院時は肛門から直腸が突出しまい、直腸脱を起こしている状態でした。
既往歴としては、二年前から慢性的に下痢をしており、治療を受けてもなかなか良化しない状態が続いていたとのことでした。
直腸粘膜の状態もあまり良くない状況でしたので、すぐに外科的治療として、
突出してしまっている直腸を切除し、正常部で吻合する手術を行うことになりました。
突出している消化管粘膜は浮腫を起こし、位置の把握が難しい状態になっていたので、
吻合する粘膜面を見誤らないようにするため、ランドマークを肛門に入れながら縫合を行いました。
吻合部は体腔内に戻り、術後は正常な見た目と変わりません。縫合糸も数か月後に吸収され、消失します。
今後は下痢の原因をつきとめ、内科治療によるコントロールができれば、再発することはありません。