サバンナモニター、4カ月齢、男の子の症例です。
食欲不振を主訴に来院されました。
床剤に使用しているヤシガラを誤食したかもしれない、とのことでした。
触診で腹部中央に1cm大の硬い物質が触知されました。
レントゲン検査および超音波検査において異物を疑う所見が認められました。
内科治療を行うも、状態の改善が認められなかったため、
手術で外科的に摘出していくこととなりました。
全身麻酔下で開腹し、消化管内の異物を腸切開にて摘出しました。
同時に、肝臓の全体的な色調に異常が認められたため、肝臓の部分生検および病理組織検査を行いました。
飼い主様の稟告通り、異物はヤシガラが固まったものでした。
肝臓の病理検査結果は、「肝細胞脂肪変性」でした。
肝細胞脂肪変性とは、肝臓に脂肪が蓄積する状態です。
変性の程度は重度であり、今回の症例の食欲不振の要因として異物以外に、肝障害が示唆されました。
現在まで、肝臓を保護する薬を投薬しつつ、術後の経過を定期的に追っておりますが、経過は順調です。
爬虫類では、床材の誤食が度々認められます。
ヤシガラや木製チップなど、食べられてしまいそうな床材は注意が必要です。