犬、ダックスフンド、13歳の男の子の症例です。
かかりつけ医にて、頻尿症状があり検査を行ったところ前立腺の腫瘤がみつかり、外科治療を希望され当院を受診されました。
画像検査にて、前立腺が約30mmに腫大し、内部が石灰化しており、
膀胱側へ進展、浸潤している様子が確認されました。
細胞検査にて前立腺腺癌と診断をうけ、ご家族さまと相談の上、
前立腺を切除し、前立腺の前後の尿道を吻合し、尿路を再建する手術を行うことになりました。
開腹後、前立腺腫瘤を確認したところ、骨盤(恥骨)があり、前立腺の尾側が展開しにくいため、
骨盤を一部切除し、術野展開を行いました。
その後、前立腺周囲の脂肪膜内に走行する血管、神経を温存しつつ、剥離していき、
前立腺前後の尿道を結紮し、前立腺を切除しました。
その後、尿道カテーテルをガイドにして、前立腺前後の尿道を吻合していき、尿路を再建し、終刀しました。
病理検査結果は前立腺部尿道移行上皮癌で、前立腺腺癌よりは悪性度が低い癌でした。
現在は、自律排尿が可能であり、歩行障害もなく、術後抗がん治療を開始しております。