7歳、日本猫、女の子の症例です。
二年以上前から巨大結腸症による便秘の治療を受けていました。
内服や食餌療法も効果がなく摘便や浣腸を繰り返していたそうです。
摘便や浣腸は精神的にも肉体的にも負担が強く、特に麻酔下で行う場合は健康面への影響もあります。
過去に数回麻酔をかけての摘便処置を行ってきたとのことで、ご家族様も疲れてしまっているように感じられました。
内科治療による限界を迎えていると判断し、外科手術を行うことになりました。
X線検査では結腸内に溜まった糞塊が確認できます。
骨盤のサイズをはるかに超えており、通常排泄が不可能であることがわかります。
外科手術では、便を送り出す蠕動機能を無くして伸びきってしまっている結腸の大部分を切除し、
正常部同士を吻合するという、結腸亜全摘という術式を施しました。
溜まっている糞塊により下腹部が膨満しています。
結腸は所々、壁が菲薄していました。
正常部位で吻合しました。結腸の80%程度を切除しました。
術後、六日目には排便がみられ、その後も毎日良便がでており、経過良好です。
今後は少しずつ食餌療法、内科治療を漸減していきます。
便秘がなくなり、動きもよく、機嫌も良いそうです。