ヒョウモントカゲモドキ、1歳7か月齢 男の子の症例です。
総排泄孔付近から何かが出てきているとのことで来院されました。
食欲や活動性、排泄状態など、一般状態は良好でした。
視診により、ヘミペニスと呼ばれる生殖器が左右とも脱出していることを確認しました。
脱出したヘミペニスにはプラグ(栓子)が付着していました。
プラグを除去した後、脱出しているヘミペニスを慎重に押し込み、整復しました。
(写真は右のヘミペニス脱を整復した後のものになります)
1週間後の再診時にはヘミペニスの再脱出もなく、経過良好でした。
オスのトカゲの生殖器であるヘミペニスは、通常、尾の中に反転して納まっていますが、何らかの要因で病的に脱出してしまう場合があります。
脱出してしまう要因としては、感染、外傷、過剰な繁殖などが考えられています。
脱出して時間が経過してしまうと、脱出したヘミペニス粘膜が乾燥、壊死してしまう場合もあります。
今回の症例は押し込んでの整復処置のみで、経過は良好でしたが、再脱出を繰り返す場合には縫合処置が必要になることもあります。
壊死してしまっている場合には、ヘミペニス切除が必要になる場合もあります。
早期の対処が重要になることもありますので、総排泄孔付近の異常に気が付かれましたら、早めの受診をお勧め致します。