フェレット、2歳、男の子の症例です。
排尿ができず、下腹部が腫れているという主訴で来院されました。
尿路閉塞により尿道が断裂し、尿が皮下に漏れてしまっている状態でした。
尿道カテーテルを通し、導尿することができない状態でしたので、緊急で外科処置を行うことになりました。
開腹し、過剰に膨張した膀胱を確認し、穿刺し尿を抜いた後に、尿道の損傷部を探していきました。
尿道の周囲が腫脹しており、その部位に穿刺を行うと排膿がみられました。
また尿道閉塞部周囲からは結石や分泌物が固形化した構造物がみられ、
尿道構造自体は確認することができないほど変性しておりました。
尿道の縫合再建を断念し、より近位の尿路による新しい尿路再建を行うことにしました。
尿路の長さや組織の強度の問題から、前立腺内尿道を腹壁に開口することにしました。
術直後から、しっかり排尿ができるようになりました。
今後は尿道開口部周囲の皮膚のケアをしつつ、膀胱炎などの尿路トラブルが起きないよう、経過観察をしていく必要があります。